彼女は昔々すごく苦労していた。
今は楽に暮らせてる。あの頃に頑張った甲斐があったようだね。あなたを見習いたいと思います。

昔は会話するたびに口論になるばかりだった。いや、今でもそうだね。
昔はあなたにわがままを言うことも多かった。これから少しでもあなたのわがままを聞いて受け入れたいと思います。

このブログをあなたは見ることができないだろうが、そんなことはどうでもいい。ただ僕は自分が道を迷ったり何か罪を犯したりしたときに、このときはこんな気持ちがあったんだなと、分かるように書いておくよ。

拝啓、母上様

僕はあなたのことがよく分かりません。もちろん、子供の時に一緒に暮らすことが少なかったあなたも恐らく、僕のことはよく分かっていないでしょう。

たまに僕がまだ生まれてない頃の話、あなたが姉と苦労していたこととかを聞かせてもらっていた。最初はなんとも思わなかったけど、今ではあの時、あなたが僕に伝えようとしていることは何かをちゃんと聞いておけばよかったのにと思った。今でも思い出しているよ。社会人になって自分で働いてお金を稼いで食って行かないといけない身になってからよく分かったよ。

今の苦しみとか悩みなんてあの頃のあなたに比べるとすごくちっぽけなことだった。二人の子供をたった一人で育てるために、あなたはどんな犠牲をしていたか、僕にはとても計り知れません。
でも今は、僕にちゃんと伝わったよ。かなり時間がかかってしまったかもしれないけれど

拝啓、母上様

僕はいい息子になっていますか？僕はそんな自信がありません。

今自分が思っていることと、実際に行動していることとは違っているかもしれない。僕はいい息子になれますか？

あなたが人生で目指していることは現在、達成できたようだね。「もう未練はなく死ねるわ」なんか言っているし。だが僕は今のあなたの、本当の望みは分かりません。ただ、そんなことは言わないで下さい。あなたはせめて母としてもう一役が残っている。

それは子供があなたに恩返しできるように、元気でいることだ。
ちょっと変な言い方かもしれないな・・・